[Webインタビュー]

(2014/05/21)

【第38回】CITICキャピタル・パートナーズ・ジャパン――設立10周年を迎えた中国系PEファンドの投資戦略を語る

 中野 宏信(CITICキャピタル・パートナーズ・ジャパン 日本代表)
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中国の政府系金融コングロマリット

―― CITICキャピタル・パートナーズ・ジャパンは今年、設立10周年を迎えたわけですが、まずCITICキャピタル・パートナーズ・ジャパンについて紹介してください。

「CITIC(中信集団)キャピタル・パートナーズ・ジャパンは香港に本社を置くCITICキャピタルが運営しているプライベイトエクイティ(PE)ファンドの中で、中国ファンド、米国ファンドと並んで日本企業向けファンドを運営している会社で2004年に設立されました。CITICキャピタルが属するCITICグループは政府系金融コングロマリットですが、もともと鄧小平・元主席が1979年に中国経済の改革開放政策を進めるにあたって旗印としてつくった会社です。そういう意味ではスタート時点から中国でも非常にユニークな存在と言えます。政府系でありながら資本主義的な性格が強く、しかも他の中国企業と比べるとグローバルな事業展開をしているのが特色です。その孫会社がCITICキャピタルということになります。非常に戦略的な、ある意味ではCITICグループの今後の事業展開の先頭を走るような会社といっていいと思います。実際、CITICキャピタルはそのスタートからグローバルなビジネス展開をしていまして、アセットマネジメント会社として米国でファンドを組成し、その後日本でファンドを組成し、最後に中国でファンドを組成するということで、海外でのファンド組成から始めたという点でもユニークな存在といえるでしょう。われわれが担当しているPEファンド以外にも不動産のファンドがあって、こちらは香港、中国を中心に投資していますが、いずれも世界中の機関投資家がお客様になっています。日本ファンド(CITIC Japan Partners)は04年に1号ファンドが約170億円で設立され、10年にはファンド規模約180億円の2号ファンド(CITIC Capital Japan Partners II)が設立されました。中国の有数の産業・金融コングロマリットであるCITICグループの経営資源・ネットワークを活用して、中国およびアジア市場を中心にグローバルな観点から日本企業が海外展開や海外の経営要素を一層活用できるような支援を目指しています。

 



 

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