住生活カンパニーは、「生活資材・物流部門」、「建設・不動産部門」の2部門から構成されている。前者の生活資材・物流部門は北米建材、紙・パルプ・衛材、天然ゴム・タイヤ・窯業、並びに3PL、国際輸送等の物流事業を取り扱う。同部門のトップで紙パルプ関連部署でのキャリアが長い山内務氏に、同部門におけるM&Aに対する関わりを中心に聞いた。
セニブラ社への投資が起点に
―― 住生活カンパニーでは現在、フィンランドのMETSA FIBRE社が大きな収益源になっています。同社への投資の経緯を教えてください。
「きっかけは1970年代にブラジルで行った投資プロジェクトです。ブラジルの国営資源開発会社リオ・ドセ社(現ヴァーレ社)と日伯紙パルプ資源開発が共同で、1973年にセニブラというパルプメーカーを設立し、1977年に事業をスタートさせました。日伯紙パルプ資源開発は、大手製紙メーカーの王子製紙や日本製紙、伊藤忠が中心となり出資した企業です。セニブラ社の出資比率はリオ・ドセ社が約51%、日伯紙パルプ資源開発が約49%でした。
その後2001年にリオ・ドセ社が民営化するタイミングで日伯紙パルプ資源開発はリオ・ドセ社が保有していたセニブラ社の全株式を買い取りました。当社はパルプの販売権を条件に増資を引き受け、ブラジルのパルプを全世界に売り始めました。ブラジルのパルプはユーカリという広葉樹ですが、針葉樹も紙の原料になるので、針葉樹のサプライソースを探し始めました。そこで見つけたのがフィンランドのMETSA FIBRE社です。針葉樹の良い樹種は、寒い地域で育つのです」