[M&Aスクランブル]

(2015/11/10)

2015年の日本企業の海外M&A、10兆円を突破

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 日本企業による海外M&Aが初めて10兆円を突破した(図表1参照)。2015年のIN-OUT(日本企業による外国企業へのM&A)は、11月9日現在で474件、10兆44億円となり、前年同期の455件、4兆9120億円をそれぞれ19件、5兆594億円上回った。上場企業の手元資金が過去最高水準となるなか、成長市場や成長の原動力を海外に求めて、保険会社や物流企業など内需型企業を中心に海外強化の動きが活発化し、金額が倍増した。日本たばこ産業(JT)による英ガラハーの買収など、2006年に日本企業の海外M&Aが本格化して10年目での達成となる。

 474件の地域別内訳はアジア162件、北米148件、欧州116件、その他の地域48件。対アジアが前年同期比16.9%減少する一方、対欧米が19.4%増加した。国別では米国138件、英国33件、シンガポール29件、中国27件(本土17件、香港10件)、ベトナム20件の順で、対中国は前年同期の44件(本土31件、香港13件)から大幅に減少している。

 10兆円の地域別内訳は北米4兆527億円、欧州2兆7617億円、アジア1兆9872億円、オセアニア1兆148億円などで、北米、アジアはともに2008年1年間の4兆194億円、1兆3362億円を上回り、過去最高を更新中だ。

 日本企業の海外M&Aは、リーマン・ショックの影響で一時的に停滞したが、2010年に増加に転じ・・・

 

 

 

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