[M&Aトピックス]

(2022/03/25)

自民党が「企業の情報開示に関する提言」を取りまとめ~財務情報・非財務情報開示の諸論点に言及


 自民党の金融調査会「企業会計に関する小委員会」は2022年3月25日、政策提言として「企業の情報開示に関する提言(案)」をまとめた。

 22年4月4日の東証市場区分改革を控えて、日本企業のプレゼンス向上を打ち出すこと等を目的に、従来の財務情報に加え非財務情報を含む企業の情報開示の内容のあり方や法定開示、適時開示のあり方について、見直すべき点を含めて市場関係者から集中的にヒアリングを行い、その内容をまとめたもの。

 提言内容は、①国際的なルール形成への戦略的関与、②国内の開示基準の策定、③国内の企業の開示の実効性を高めるための取組み、④非財務情報開示に関する保証体制の在り方の検討――からなる。

 ②では、企業価値の向上に向けた人材戦略の重要性を考慮し、「人材育成」「社内環境整備」を進めるように求めている。中途採用の状況やデジタル人材の確保、取締役会や管理職の男女比・年齢構成など、「人的資本」に関する自社の経営戦略を意識した情報開示の重要性について触れた。

 さらに、③では、投資家からの要望を踏まえ、日本企業の適時開示の強化を促す必要性に言及している。日本企業がより積極的に定量的、定性的に非財務情報も含めた開示を自ら行い、当該企業の収益可能性、事業継続リスク、経営方針等を市場参加者に伝えることで、「日本企業がより適切に市場との対話、投資家への情報開示を充実するべき」であるとした。

 四半期開示については、「四半期決算短信」と「四半期報告書」の一本化を提言した。

 提言内の各論点については今後、政府・与党内で更に検討を進め、6月にまとめる政府の成長戦略に提言内容を盛り込む。2023年以降、上場企業の適時開示等の制度等がどのように変わるかが注目される。

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