[視点]

2009年5月号 175号

(2009/04/15)

バイアウト・ファンドとバリューアップ(価値創造)

一橋大学大学院国際企業戦略研究科・准教授 伊藤彰敏
大和SMBCキャピタル株式会社事業投資第一部 野瀬義明
  • A,B,EXコース

二〇〇八年は日本のバイアウト・ファンドにとって困難の多い年であったといえよう。本誌の集計によると、投資会社が日本企業に対して行ったM&A件数は前年比三八%減の二四八件、投資会社と組んだMBOは前年比四二%減の一一件にとどまった。投資会社=バイアウト・ファンドではないので留意が必要ではあるが、二〇〇八年はそれまで順調に拡大を続けていた投資活動にブレーキがかかっている。ただし数十年以上という長い歴史を持つ米英でも、バイアウト・ファンドは浮き沈みを繰り返しながら投資手段として熟成されてきた。むしろ、未曾有の金融危機といわれる現在にあってもなお多数のディールが成立することは、バイアウト・ファンドが確実に企業・産業再編のプレーヤーとして存在感を増していることの表れと感じる。

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