[M&Aの現場から]

2013年10月号 228号

(2013/09/15)

【NTTドコモ・ベンチャーズ】 NTTグループの好敵手になり得るようなベンチャーに投資をしたい

 秋元 信行(取締役副社長)
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秋元 信行氏   NTTドコモ・ベンチャーズは、エヌ・ティ・ティ・ドコモ(以下ドコモ)のコーポレート・ベンチャー・キャピタル子会社。ドコモは2013年2月、日本電信電話(以下NTT)の子会社でコーポレート・ベンチャー投資ファンドの運用管理を行っていた「NTTインベストメント・パートナーズ」(08年2月設立。以下、NTT-IP)の全株式をNTTより譲り受け、NTT-IPの商号変更を行って「ドコモ・イノベーションベンチャーズ(DIV)」として新たにスタートさせた。その後、DIVを7月1日付で現社名である「NTTドコモ・ベンチャーズ」に変更している。

  運用するファンドはNTT-IPから引き継いだ「NTT‐IPファンド投資事業組合」(08年3月設立。150億円:NIPファンド)と新たに立ち上げた「ドコモ・イノベーションファンド投資事業組合」(13年2月設立。100億円:DIファンド)の合わせて250億円。

  社員は代表取締役の吉澤和弘氏を除き14人。吉澤氏は非常勤で、ドコモ取締役常務執行役員経営企画部長との兼務であるため、実質的な経営執行は副社長の秋元信行氏が行っている。その秋元氏がNTTドコモ・ベンチャーズ設立の経緯をこう語る。

  「もともとNTT持株会社の下にNTT‐IPと呼ばれるコーポレート・ベンチャーキャピタルの会社が08年からございました。そこは150億円のファンド(投資期間10年)を使って投資活動をやっていたのですが、12年の春頃に、ドコモとしてもコーポレート・ベンチャーキャピタル活動を積極的に展開していく必要があるだろうという話が出まして、NTTグループがばらばらでやるより一本化したほうがいいということでNTT‐IPの株式をドコモが100%買い取って『NTTドコモ・ベンチャーズ』という会社に看板を書き換えたというわけです。なぜ『NTTベンチャーズ』ではないのかという疑問もあるかと思いますが、昨今のIT関係技術、例えばアプリケーションを見ても、やはり8~9割がモバイル関係ということなので、NTTを全面に出すより、ドコモを出した方がスタートアップ業界の方にとってはより魅力的に見えるのではないかという思いもありまして、社名については『NTTドコモ・ベンチャーズ』とし、NTTグループを代表してベンチャー企業との連携を強化するという意味合いを込めたのです」

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