[編集部から]

2017年9月号 275号

(2017/08/15)

次号予告と編集後記(2017年9月号)

次号予告

2017年10月号
特集:「日本にドローン革命を起こす」          
2017年9月15日発売予定

※内容は変更されることがあります。タイトルは仮題です。

編集後記


■今月の吉村一男氏による米国のアプレイザル訴訟の現状を報告する寄稿論文は新鮮でした。昨年のジュピターテレコムの買取価格決定事件の最高裁決定では、裁判所はプロセス重視で、第三者委員会などのプロセスがちゃんとしていれば、企業価値評価の具体的な中身(例えば割引率の設定など)には立ち入らず、専門家に委ねる(TOB価格と同じでよい)とされました。実務専門家が大歓迎したのは言うまでもありません。ところが、最近のアメリカの裁判所は、日本の買取価格決定訴訟にあたるアプレイザル訴訟では、割引率の調整にまで立ち入ってくるとのこと。ある事例では、DCF法の継続価値(Terminal Value)の算定に使う割引率が半分以下に修正されたとのこと。バリュエーションの実務者から見れば、驚きというしかありません。よほど金融界の常識からかけ離れた評価事例だったと想像しますが、日本において、似たような事例がもし起きたら、プロセスの形がちゃんとしていたとしても、裁判所は黙っていないかもしれません。(朱鷺)

■母校の制服が創設70周年を機に、リニューアルされるとのこと。新制服のデザインは1期生であるウェディングファションデザイナーの桂由美さんが手がけられたそうです。
制服は、学校の伝統と懐かしい学校生活の象徴のようなもので、これを変えるのは簡単なことではありません。企業に例えれば、社名やブランドを変えるようなものです。
最近の社名変更で思いつくのは、テンプホールディングスです。2016年からグループの新ブランド「パーソル」を立ち上げ、2017年7月には社名も「パーソルホールディングス」に変更しました。M&Aによって事業領域の拡大を遂げてきた同社は、単一派遣事業という企業イメージを払拭して、幅広い事業実態に合った総合人材サービスを超える存在としてグループ総合力を発揮し、成長を目指すとしています。
母校の制服リニューアルには一抹の寂しさも感じますが、伝統を守る一方で変化にも対応し、新しい制服にふさわしい発展を期待したいと思っています。(幸)

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