米投資会社のKKRは11月8日、東京都中央区に本社を置くタンク事業大手のセントラル・タンクターミナル(CTT)を買収すると発表した。国際入札による買収で、買収金額は約500億円程度とみられる。規制当局の承認およびクロージング条項の充足を条件に、2021年12月までに買収は完了する見込み。KKRによる日本国内のインフラ系企業への投資は初めてのケースだ。
KKRはこの10年間ほど、エネルギーやインフラ、不動産関連分野への投資にも力を入れており、北米や欧州のインフラ系企業を主な投資対象とするインフラファンドを第3号まで立ち上げている。今年1月にはアジア太平洋地域のインフラ系企業や資産への投資に特化した第1号ファンドを39億ドルで設立しており、既にインド、フィリピン、中国、韓国の企業及びプロジェクトへの投資実績がある。CTTも当該1号ファンドを通じて買収する。KKRの日本法人であるKKRジャパンでインフラストラクチャー投資を担当している平山貴常ディレクターは今回の買収について、「タンク管理事業はインフラの中核事業になる。CTTは化学品業界の大家のような位置付けの企業であり、比較的安定して長期的に収益を見込める」と話す。
M&Aやタンクの増設を狙う
CTTは66年、米ガテックスコーポレーション、日本通運、長瀬産業の共同出資によって設立された(当時の社名は日本ガテックス)。設立35年となる01年、ガテックスに代わって蘭ロイヤル・ヴォパックが資本参加したのを機に日本ヴォパックに社名変更。