[ポストM&A戦略]

2015年5月号 247号

(2015/04/14)

第77回 PMI再考:海外買収先のグループ統合(上)

 竹田 年朗(マーサー ジャパン グローバルM&Aコンサルティング パートナー)
  • A,B,EXコース

  買収後の統合(PMI)は、ディールロジックに従い、所期のシナジーが実現するように具体的な統合プランを設計して、スピーディーにこれを実行するものである。もちろん、そのとおり成功する統合もあれば、所期のシナジーが十分に実現しない統合もあり、さらにもともとの企業価値まで棄損するような失敗もあるだろう。とはいえ、多額の資金を投入して実施したM&Aであるから、統合に対して「待ち」の姿勢を取ることなく、うまくいく統合の方法を積極的に考え、徹底的に実行するのが本来の姿であろう。
  一方で実際には、買収時には様々な事情で踏み込んだ統合ができず、あるいは当面は敢えて統合しないと判断するケースも少なくないと見ている。やむを得ず、あるいは意図して、統合を一時棚上げするのである。失敗の確率が高いとしか思えない統合を、急いで実行する理由はどこにもない。しかし、その後に積極的に統合を進め、所期のシナジーを実現する「挽回策」を取るのでなければ、折角のM&Aから得られるものは極小化し、あるいはマイナスになってしまうだろう。
  今回から、この買収後の統合という避けることのできないM&Aの難題について、解説を行う。

この記事は、Aコース会員、Bコース会員、EXコース会員限定です

マールオンライン会員の方はログインして下さい。ご登録がまだの方は会員登録して下さい。

バックナンバー

おすすめ記事

スキルアップ講座 M&A用語 マールオンライン コンテンツ一覧 MARR Online 活用ガイド

アクセスランキング