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[ポストM&A戦略]

2015年8月号 250号

(2015/07/15)

第80回 グローバル企業の人材マネジメント(上)

 竹田 年朗(マーサー ジャパン グローバルM&Aコンサルティング パートナー)

  買収後の統合は、内容の差こそあれ、どのような案件でも不可欠である。その統合後には、新しい組織を円滑に運営するために、その統合の性質や程度に応じて人材マネジメントの統合も行われるのが通常である。人材マネジメントとは、各種の人事制度はもとより、採用や育成など、人材に関する計画や運用を含む広範な概念のことである。一般従業員まで含めると、対象となる社員数は多く、項目は多岐にわたり、内容は詳細で各国の事情も反映されるので、一般に、何についてどこまで本社が関与するのかが、効果と効率の両面から問題となる。
  クロスボーダーM&Aを重ねると、その行きつく先に位置するのは、グローバルに操業する企業であろう。今回は、先行するグローバル企業においてどのような人材マネジメントが行われているのか、重要なポイントを解説したい。

グローバルに操業する企業はどのような姿をしているのか

  企業が自力での成長(Organic Growth)やM&Aによる成長を成功裡に重ねていくと、起業した国からその他の国にヒト・モノ・カネ・情報が流れていくモデルをいずれは卒業し、世界のどの拠点からでも新しい事業が起こり、世界のどの拠点にでも優れた人材が参画してそこからグローバルの幹部に登用されるモデルに移行する、と言われている。すると、グローバルの優秀人材を縦横無尽に活用できる企業と比較すると、日本の優秀人材に偏って依存するこれまでの日本企業は構造的に不利、と言わざるをえないだろう。日本の教育を受けて育った人に優れた人材は多く、主にそのような人材から構成される日本企業に優れた企業は多いとはいえ、選考対象者の母数が圧倒的に違うからである。もちろん、英語の問題もある。
  このような理解を企業の発展ステージを踏まえて表したのが、図1である。まず、日本市場を主体とする日本企業の時代(図の左上1.)には、日本から海外事業を統括するのが自然である。この段階の本社の経営層のほとんどは、日本で教育を受け、日本市場を相手にして成長した人材、つまり日本人であると言ってよいだろう。
  現地人材が本社の経営層となるイメージは、このモデルではまずない。それはなぜかと言うと、言葉や文化の問題を脇においたとしても、最も重要で最大の市場である日本市場での経験が、幹部となるには圧倒的に足りていないからである。要するに日本市場が海外市場よりはるかに重要なので、そういう判断になる。

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