はじめに司会・・日本は戦後、企業の「日本的経営」のもと、経済発展をしてきました終身雇用などを保障された従業員を中心に置く会社経営です。今の言葉でいえば従業員主体のステークホルダー型会社観です。こうした会社をメーンバンク、さらに国家が背後で支えてきました。日本の「会社のかたち」は明確でした。しかし、バブル崩壊後の経済再生の中で、その限界にぶつかり、米国制度も取り入れて、株主主権型会社観に接近してきたようにも思われます。九〇年代後半に入ると、コーポレートガバナンスの議論が盛んになりました。会社はだれが統治しているのか。経営者をだれが、日常的に管理監督しているのか、経営不振のとき、だれが経営者を交代させるのかといった議論です。