[視点]
2009年4月号 174号
(2009/03/15)
〝変革"がこれほどまで切実に叫ばれたことも無かっただろう。金融危機に端を発した世界同時不況に多くの企業が苦しむ中で、米国では、「変革」を掲げたオバマ新政権が誕生し、危機に際しての舵取りに注目が集まっている。自動車業界ビックスリーの救済統合、金融業界再編の動きはまさに世界経済の地殻変動の震源になりうるが、日本企業全般にとっても大きな影響をもたらしている。日本企業のM&A件数は、不安定な資本市場、資金調達の困難さ、企業の投資抑制などにより右肩上がりの状況に陰りが見られるが、その一方で、世界的な再編の動きの中でのグローバル競争激化に起因するクロスボーダーM&Aや、各業界の供給過剰解消から生き残りをかけた競合同士のドラスティックな経営統合、救済型M&Aなどは、今後も不況になるほど発生する必然性は高まるであろう。これらのM&Aが従来と異なるのは、企業規模の大型化やビジネス範囲の多様化である。グローバルマーケットや業界全体に波及する再編などは単に資本取引に留まらずに経営組織全体が大きく変化するような影響をもたらす。
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