[視点]

2015年5月号 247号

(2015/04/14)

組織の融合は必要か

 柳川 範之(東京大学 大学院経済学研究科・経済学部 教授)
  • A,B,EXコース

  M&Aの成功・失敗のカギを握るのは、一般にPost-Merger問題と呼ばれている、統合後に生じるさまざまな問題をどう克服するかであろう。特にそれまでに長い歴史があった企業ほど、社内ではさまざまな企業文化が根付いている。そして、それが生産性をあげる原動力にもなっている。

  ところが、二つの組織がM&Aによって統合されることになると、今まで異なった企業文化の中で育ってきた組織を一つにする必要が生じる。そこで、Post-Merger 問題と呼ばれるさまざまな問題が生じることになる。どちらの企業に所属していたかに基づいて派閥が形成され抗争が起きてしまったり、社内文化が異なっていたために、うまくコミュニケーションがとれずに生産性があがらないなどというのは、よく聞く問題点であろう。場合によっては、同じ言葉でも違う意味で使われていたり、同じ意味のものが違う言葉で使われたりして、社内で辞書に近い用語解説の文書が作られる場合もあると聞く。

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