[寄稿]

2015年11月号 253号

(2015/10/15)

コードでは語られない「もうひとつのガバナンス」

 松田 千恵子(首都大学東京大学院 社会科学研究科経営学専攻 教授)
  • A,B,EXコース

  コーポレートガバナンス・コードが制定され、ある会社はとにかく対応を急ぎ、別の会社はこれを機会にコードを活用して改革を進めようと、様々な動きをみせている。コードの実効性が試されるのは今年度以降となろうが、現時点で興味深いトピックスを三点ほど挙げてみたい。

  ひとつは、体制の問題である。監査役には議決権が無いというなど海外投資家の批判などもあり、今般「監査等委員会設置会社」なる形態が新しく作られたが、これは本当に機能するのか、一方で、監査役会設置会社というのはガバナンス的に見た場合に本当に問題があるのか、といった点である。指名委員会等設置会社といった形態を導入していればガバナンスは良いはずだという幻想が東芝の事件で打ち砕かれた現在、どのような形態をとろうが、問題は実効性なのであるという認識は浸透したように思える。今般、対談に応じて頂いたのは監査役会設置会社であるキリンホールディングスの現役の監査役の方である。監査役が強い権限を持っている企業のひとつではないかと思われるが、実際にどのように機能しているのか興味深い。

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