アクティビストの活動がますます活発化する中、企業側にはどのような対応が求められるのか。ブティック型IR/ガバナンスコンサルティング会社として個別企業のニーズに合わせた支援を提供しているジェイ・ユーラス・アイアールの鈴木紀子氏、宮地真紀子氏、原山真紀氏に、アクティビスト対応の現状、機関投資家の動向、企業の経営陣が留意すべきポイント等について聞いた。
アクティビスト活発化の背景
―― アクティビストの活動が非常に活発化していると言われています。現状について、どのように捉えていますか。
宮地 「2024年6月総会において株主提案を受けた企業の数は過去最多に達しており、アクティビストの動きが活発化しているのは間違いありません。当社に寄せられるアクティビスト対応に関する相談もかなり増えていることから、水面下でアクティビストからアプローチを受けている企業の数は相当多いというのが我々の肌感覚です。
活発化している理由としては、そもそもアクティビストに狙われる隙のある日本企業が多いということも大前提としてあります。具体的には図表1に示したような特徴を持つ企業です。
■鈴木 紀子(すずき・のりこ)
2002年ジェイ・ユーラス・アイアール入社。買収防衛策導入・更新やプロキシーファイト、TOB等の株主総会支援に加え、海外企業の日本におけるIR、日本企業の海外IRにおける支援業務等を数多く担当。投資家と企業との対話の現場に多く接した経験から、企業におけるコーポレートガバナンス・コード対応や取締役会評価の支援も実施。津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。
■宮地 真紀子(みやじ・まきこ)
大手総合電機メーカー入社後、米国におけるIR・SEC対応、上場子会社における連結決算・事業計画等に携わる。2005年ジェイ・ユーラス・アイアール入社。大型企業合併・買収防衛等に関わる株主総会支援、TOB支援、アクティビスト対策・企業防衛等、数多くの案件にプロジェクトマネージャーとして参画。また、取締役会評価の支援全般に携わる。東京大学経済学部経済学科卒業。
■原山 真紀 (はらやま・まき)
大手流通企業を経て、2010年ジェイ・ユーラス・アイアール入社。国内・海外株主判明調査や機関投資家へのヒアリングなどの調査・分析、海外IR/SR支援、経営陣向けIRセミナー、社外取締役との対談などを実施。また、プロキシーファイト、TOB等の株主総会支援、アクティビスト対策支援等を提供。青山学院大学大学院国際マネジメント研究科卒業、経営管理修士(専門職)。