1.DDとは
M&A入門連載第6回目のテーマは、デュー・デリジェンス(Due Diligence、以下「DD」と呼ぶ)です。DDとは、M&Aの際、対象企業(事業)の経営実態、事業の状況等を事前に精査する一連の作業のことを指します。
DDでは、財務・税務、法務、ビジネスなど、多岐にわたる領域を1カ月から2カ月という短期間で検証しますので、DD実務自体は、極限の環境下での作業になります。また各領域のDD実務は、専門的な知識を必要としますので、実際には、会計士、弁護士、コンサルタントなど(彼らを総称して「DDアドバイザー」と呼びます)の専門家を動員して現場の作業は進められます。
本稿では、このようなDDにおいて買い手はどのような点に留意してDDを進めれば良いのかを解説します。さらに今回はエグゼキューションの最終回(当連載自体はあと3回続きます)ですので、今後M&Aにおいて活用することが主流となると考えられるクリーンチームを用いたDDの進め方および表明保証保険の活用についてご紹介します。