ローン・コベナンツを開示へ 2025年4月からローン・
コベナンツ(銀行融資の財務上の特約)の開示が上場企業に義務付けられることになる。
ローン・コベナンツは、シンジケート・ローンやM&Aに係る買収ファイナンスなどでよく用いられるもので、借り手の財務状況に応じた一定の制限を課すことにより、弁済余力を確保する目的がある。担保提供制限、純資産や利益維持、有利子負債の水準維持などの財務制限条項がこれに該当する。
金融庁は2024年4月1日付で内閣府令を改正・施行し、2025年度から、企業に対して融資や社債のコベナンツについて、その内容や銀行名、金額、償還期限などの開示を義務化する。融資・社債が連結純資産の3%以上の場合は臨時報告書による開示が、10%以上の場合は有価証券報告書による開示がそれぞれ求められる。
M&Aに限らず、ローン・コベナンツの開示は企業金融全般に少なくない影響を与えると見られる。
「社債市場の活性化に関する懇談会」で議論 日本において銀行融資でコベナンツが用いられるようになったのは20世紀初頭と考えられる。当時、社債では既にコベナンツの利用が進んでいたが、2000年代に入り日本でもシンジケート・ローンの利活用が進む中で、