「実質株主の透明性向上」に関する改訂案が判明 「実質株主」の透明性向上を目指す議論が盛り上がりを見せている。日本においては、株主名簿に記載される「
名義株主」を企業が把握する仕組みはあるものの、「実質株主」、すなわち当該株式について議決権指図権限や投資権限を有する者については、
大量保有報告制度の適用対象(5%超)となる場合を除き、企業や他の株主がこれを把握するための制度は存在しない。欧米では、インベストメント・チェーンを意識した動きが強まる中、開示制度や株主調査権の設置といった対応が進んでおり、日本における対応が注視される状況であった。
金融庁で開催されている「
スチュワードシップ・コードに関する有識者会議(令和6年度)」では、
スチュワードシップ・コードの改訂に向けた検討が進んでおり、実質株主の透明性向上も主要なテーマとなっている。企業が実質株主を把握することが困難な日本の現行制度は、対話の相手を特定できないとの意味でスチュワードシップ活動の妨げとなるとの問題意識が背景にある。有識者会議の第3回において公表されたスチュワードシップ・コードの改訂案においては、検討趣旨を踏まえ、「機関投資家は、投資先企業との間で建設的に対話を行うために、投資先企業からの求めに応じて、自らがどの程度投資先企業の株式を保有しているかについて企業に対し説明すべきであり、投資先企業から求めがあった場合の対応方針についてあらかじめ公表すべきである。」との文言が示されている。
法制審でも議論スタート また、会社法における実質株主の確認のための制度の創設についても、