[M&A戦略と法務]
2007年2月号 148号
(2007/01/15)
昨年二月に発表された日本板硝子による英ピルキントンの買収に加え、一二月にはJTによる英ガラハーの買収が発表されるなど、二〇〇六年は日本の上場企業による海外上場企業の大規模買収事例が目立った。しかし、これらのケースではいずれも現金を対価とする買収スキームが利用されている。
今から一五年以上前の一九九〇年、京セラは株式(正確にはADR)を対価として米AVX社を買収した。この方法は法的に疑義があったと言われ、その後これに続く事例はなかった。しかし、京セラ方式における法的疑義のうちの一部(海外子会社による日本の親会社株式の取得)は、会社法が解決しており、その部分は、今年五月の合併等対価柔軟化に関する部分の施行を待たずに昨年の会社法施行時から適用されている。にもかかわらず、同様の方法による海外上場企業をターゲットとする株式対価事例はなかなか現れてこない1。
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