[M&Aスクランブル]
(2015/07/01)
3期連続で最終赤字を計上してきた日本板硝子の最終利益が、2015年3月期は黒字に転換した(図表1参照)。
同社は2006年に英ピルキントンを6,160億円で買収した。当時のピルキントンの売上高は約5,000億円、一方、日本板硝子の売上高は約2,600億円であり、小が大をのむケースとして大きな注目を集めた。また、ピルキントンの買収金額は当時の日本板硝子の総資産の1.37倍であった。これは、大型IN-OUTとして注目を集めたソフトバンクによるボーダフォン買収(1兆9,172億円、2006年)の1.21倍や、JTによる英ガラハー買収(2兆2,530億円、2007年)の0.69倍を上回っており、日本板硝子という一企業にとっていかに大きな買収であったかが窺われる(文末注参照)。
ピルキントンの規模や買収金額が自社の規模に比べて大きかった分、リーマン・ショックや欧州金融危機などが発生すると、一気にリスクが顕在化したと考えられる。特にピルキントンが本拠地としてきた欧州での売上減少は、その後の業績低迷の要因になった。
(図表1)日本板硝子の業績推移
*Cコース会員の方は、最新号から過去3号分の記事をご覧いただけます
マールオンライン会員の方はログインして下さい。ご登録がまだの方は会員登録して下さい。
――4月1日「オリックス・クレジット」から「ドコモ・ファイナンス」に社名変更
[Webインタビュー]