MCPメザニンは、銀行融資(シニアファイナンス)と普通株式発行(
エクイティファイナンス)の中間にあたる「
メザニンファイナンス」に特化した投資ファンドで、2005年来のトラックレコードを持つ業界最古参の1社である。取締役マネージングディレクターを務める寺田正芳氏にメザニンファイナンス市場の現状と今後の見通し等を聞いた。
国内有数の歴史を持つメザニンファンド ―― MCPメザニンの概要を教えて下さい。
「当社は、みずほキャピタルパートナーズを出自とするメザニンファンドです。
同社は2000年に
バイアウトファンド第1号の運用を開始していますが、当時は議決権を取得するバイアウト投資は黎明期で、世間からは『ハゲタカ』のイメージを持たれていた時代です。そうした中ではバイアウトファンドが手掛けるものは企業再生案件が多く、その
イグジットに際して銀行の通常の融資だけでは難しく、メザニンファイナンスのニーズが高まっていきました。また、財務基盤の乏しい企業も多い中で『銀行グループとしてメザニンの提供機能も必要ではないか』との機運が高まり、2005年に銀行系の運用会社としては初となるメザニンファンドの運用をスタートさせました。ほぼ同時期に国内のほかのメザニンプレーヤーも活動を開始しているので、この分野では老舗にあたります。
■寺田 正芳(てらだ・まさよし)
1995年、商工中金に入庫。2006年、みずほ銀行に入行。会計系コンサルを経て、2020年にMCP入社、2021年のMCPメザニン設立より現職。個別案件投資を統括すると共に、ファンド運営業務を担当。事業承継や子会社独立を目的とするMBOのオリジネーションを得意としており、みずほ銀行では2006年から2020年の14年超、買収ファイナンス・LBO/MBOファイナンスのアレンジ業務に従事。2017年からはフロントチームを率い、シニアローンのみならずメザニン提供も主導。LBO/MBOファイナンスのアレンジ・組成実績は100件を大きく超える。