出張訪問買取最大手のバイセルテクノロジーズ(東証グロース上場)は2019年の上場後、5件のM&Aを実施し、リユース業界再編の有力な事業者となっている。M&A戦略の基本方針や実施の際の取り組みのポイントを聞いた。
リユース業界でロールアップ ―― M&A戦略の基本方針や考え方、規律について教えてください。
「当社はリユースビジネスに取り組む企業で、リユース業界特化型のロールアップを進めています。かなり狭い領域でM&Aを繰り返し行っているのが特徴です。
ただし、単なる足し算のM&Aではなく、シナジーを重視しています。具体的には、買収前の経営陣が描いている経営戦略に対して、我々ならこうするなと思う成長戦略が描けるかどうかです。M&Aによって対象会社が仲間になった瞬間から、複数の成長戦略を同時に迅速に実行していくというスタイルです。
2000年代前半の創業初期段階では、
■岩田 匡平(いわた きょうへい)
東京大学工学部システム創成学科卒。博報堂を経てマーケティングコンサルティング等を提供するOWL(現AViC)を2014年に創業し、代表取締役に就任。ベンチャー企業を中心にマーケティング活動を幅広く支援。2016年10月に取締役としてバイセルテクノロジーズに参画。2017年9月に代表取締役社長兼CEO、2024年4月に代表取締役会長へ就任。