[【クロスボーダーM&A】ベトナム投資の基礎知識 [ベトナムマーケット概要](ワールディング)]

(2013/09/04)

ベトナムの銀行業界

 谷口 正俊(株式会社ワールディング 代表取締役社長)
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群雄割拠のベトナム銀行業界

 ベトナムの銀行業界は、ドイモイ政策後の1990年に4大国営商業銀行のベトナム農業農村開発銀行(AgriBank)、ベトナム投資開発銀行(BIDV)、ベトナム商工銀行(VietinBank)、ベトナム外商銀行(Vietcombank)が設立されて以降、その歴史はまだ約20年である。その後、2007年WTO加盟以降の外資参入も相まって、ベトナムにおける銀行数は、2010年12月末時点で、以下のように100行以上の過密状態にある。

 ・国営商業銀行:5
 ・民間株式銀行:37
 ・100%外資銀行:5
 ・合弁銀行:5
 ・外国銀行支店:48

 2006年には、国営銀行大手4行だけで貸付額全体の7割を占めていたが、近年は民間中小企業および個人向けのリテール金融を主流とする民間銀行の台頭によってシェアを低下させている。とはいえ、AgriBank、VietinBank、BIDVで貸付全体の56%を占めており、依然、少数の大規模銀行と多数の小規模銀行で構成される集中度の高い市場であるといえよう。今後は、国内の多くの中小規模銀行が統合を余儀なくされ、いくつかの大規模銀行に集約された後、一層プレゼンスが高まるであろう外銀と競争していくことが予想される。ベトナム当局は、今後5年以内に国際競争力のある銀行2行とその他の10~15行程度の体制で銀行システムを維持することを目標としているという。

 2012年9月には、銀行の信用格付け報告が発表され、国内32銀行が以下のように4グループに評価された。




株式会社ワールディング

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TEL:03-5361-6455

■筆者プロフィール
谷口正俊(たにぐち まさとし)
1973年イタリア・ローマ生まれ。
早稲田大学商学部卒業後、(株)ベネッセコーポレーション入社。
同社退社後、2000年7月「教育を通じてより良い世の中へ」と、教育関連企業(株)ウィル・シードを共同創業、代表取締役副社長就任。大手企業400社の人財育成支援及び、全国の小中学校に新しいタイプの体感型教育プログラムを提供。
同社副社長を退任後、2006年6月、(株)アクティブリッジの設立に参加。
7年に亘るベトナム事業展開の後、2013年3月、(株)ワールディングを設立。
日系企業のベトナム進出支援、ベトナム人材採用・育成事業を展開中。
日本とベトナムを往復する日々を送っている。


 

 

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