レコフデータは1985年以降のM&Aデータベースを構築しています
[【小説】経営統合の葛藤と成功戦略]
2014年4月号 234号
(2014/03/15)
山岡ファイナンスサービス社と渋沢ファイナンスコーポレーション社は、経営統合を数カ月後に迎えようとしていた。そんな中で、渋沢FC社の社長であり統合新会社の社長就任が決まっていた飯塚良に、末期癌が見つかった。
突然の事態に多くの関係者が戸惑う中で、山岡FS社の親会社である商社幹部は、社長ポストの奪還の好機ととらえ浮足立っていた。しかし山岡FS社の野澤博人社長はそのような親会社の思惑を一蹴し、経営トップ同士で新会社の行く末を腹を割って話をすべく、海外での商談を打ち切って緊急帰国しようとしていた。
空港への迎え
秘書室長と共に社用車で成田空港に向かった松尾は、道中ずっと無言であった。状況を知る数少ない一人である秘書室長も、松尾に何か話しかけることはなかった。
空港に到着すると、松尾は野澤博人社長の到着便に遅延がないことを確認した。予定通り15分後に着陸する。成田の到着ロビーは、意外なほど閑散としていた。ベンチソファに座っている人は誰もおらず、到着便のアナウンスだけが無機質に響いているだけだ。腰の後ろに手を組んだ警備員が、時折退屈そうに松尾らに目を向けていた。天井の高いロビーには、ガラスの壁から午後の陽光が存分に差し込まれ、松尾の心情とは裏腹に眩しいほどであった。
マールオンライン会員の方はログインして下さい。ご登録がまだの方は会員登録して下さい。
[マーケットを読む ~今月のM&A状況~]
[【企業変革】価値創造経営の原則と実践(マッキンゼー・アンド・カンパニー)]
野崎 大輔(マッキンゼー・アンド・カンパニー 日本支社 パートナー)
柳沢 和正(マッキンゼー・アンド・カンパニー 日本支社 パートナー)
呉 文翔(マッキンゼー・アンド・カンパニー 日本支社 アソシエイト・パートナー)
「MARR(マール)」は、日本で唯一のM&A専門誌で、「記事編」と「統計とデータ編」で構成されています。
「レコフM&Aデータベース」は、日本企業のM&Aなどどこよりも網羅的に、即日性をもって構築している日本で最も信頼性の高いデータベースです。
マールの誌面にご登場いただいた実務家、研究者などM&Aの専門家を講師としてお招きし、成功に導くポイント、M&Aの全体プロセスと意思決定手続き、実証研究から見た分析などについてご講演いただきます。
「SPEEDA RECOF」とは「レコフM&Aデータベース」と株式会社ユーザベースが開発・運営する企業・業界情報プラットフォームである「SPEEDA」がシステム連携します。
2002年7月に、日本経済新聞デジタルメディアが運営する日経テレコンの「レコフM&A情報」を通じてM&Aデータの提供を開始しました。