[Webインタビュー]

(2011/09/20)

【第11回】アーク・オルタナティブ・アドバイザーズ 代表取締役副社長 前川卓志

  • A,B,C,EXコース

このままでは、日本のPEファンドは消滅する?


リーマンショック以前の日本のPEファンド投資


――アーク・オルタナティブ・アドバイザーズは、ファンド運用会社の委託を受けて投資家から資金を募集する役割を担う独立系専業のプレースメント・エージェント(PA)として2010年10月1日に日本で初めて設立されました。(M&A専門誌「マール」2011年10月号「M&Aの現場から」参照)08年9月のリーマンショック以後、プライベート・エクイティ(PE)ファンドのファンド募集環境が悪化しているといわれますが、普段接しておられるPEファンドに投資する機関投資家の視点に立って日本のPEファンドがどうあるべきかについてお聞きしたいと思います。まず、リーマンショックまでの日本のPEファンド投資を振り返ってどのように見ていますか。

「ベンチャー・キャピタルは米国で1940年代半ばにスタートしたのに対して日本のそれは60年代半ばのスタートで、約20年の歴史的な差があります。また、バイアウト投資(キャッシュフローがプラスの企業を買収したうえで、その企業の経営に深く関与して企業価値向上を図り、最終的にキャピタルゲインを得る投資手法:編集部)は、米国で70年代半ばに始まったのに対して日本では90年代後半に始まりました。セカンダリー投資(投資期間中のファンド持分を何らかの理由で売却せざるを得ない投資家から割安で購入し、分配を得る投資手法:同)について見ても、米国は80年代初頭から始まっていますが、日本は00年初頭からという具合で、どれも20年程度のギャップがあります。その分、ファンドの運用者もファンドに投資する機関投資家も未成熟だったということは否めません。実際、世界のPEファンドの投資残高は230~240兆円あると言われていますが、日本のそれはそのうちの1%程度しかありません。米国では何度かブームがあり・・・

この記事は、Aコース会員、Bコース会員、Cコース会員、EXコース会員限定です

*Cコース会員の方は、最新号から過去3号分の記事をご覧いただけます

マールオンライン会員の方はログインして下さい。ご登録がまだの方は会員登録して下さい。

バックナンバー

おすすめ記事

アクセスランキング