[特集インタビュー]

2024年5月号 355号

(2024/04/09)

【CVCキャピタル・パートナーズが語る】総合メディカルグループの成長加速戦略

赤池 敦史(CVCアジア・パシフィック・ジャパン マネージング パートナー、代表取締役 日本共同代表)
高槻 大輔(同 アジアオペレーションチーム プリンシパル)
  • A,B,C,EXコース
赤池敦史 CVCアジア・パシフィック・ジャパン マネージングパートナー、代表取締役 日本共同代表(左)と高槻大輔 アジアオペレーションチーム プリンシパル

赤池敦史 CVCアジア・パシフィック・ジャパン マネージングパートナー、代表取締役 日本共同代表(左)と高槻大輔 アジアオペレーションチーム プリンシパル

 2024年2月、CVCキャピタル・パートナーズ(以下、CVC)がポラリス・キャピタル・グループから調剤薬局大手の総合メディカルグループ(以下、総合メディカル)の発行済株式の100%を譲受した。

 総合メディカルは2020年3月、投資ファンドのポラリス・キャピタル・グループと組んでMBOを実施、同年4月に上場廃止となった。

 総合メディカルは、約740店舗の調剤薬局のほか、医療機関へのコンサルティング、医業継承・医療連携・医師転職支援システムを活用した転職・開業支援、医療機器・設備のリース・レンタル、院内売店運営等、医業経営にかかるサービスを包括的に提供。

 厚労省による2022年度の調剤医療費(電算処理分)は7兆8332億円で伸び率は1.7%の増加となっている。調剤薬局の経営を左右する薬価は従来、2年に1度改定されてきたが、2021年度から薬価を毎年改定することになった。2023年4月の改定では全品目のうち約48%を引き下げられた。このほか、IT化や、医療・介護などの地域サービスとの連携強化などが求められる中で、調剤薬局業界には大きな再編の波が訪れている。

 CVCは、1981年に設立された欧州のプライベートエクイティ(PE)ファンド。シティグループのベンチャーキャピタル部門が出発点で、全世界29拠点で約31兆円の資産を運用している。2003年に日本拠点が開設された後、2005年12月に日本支社である「CVCアジア・パシフィック・コンサルタンツ・ジャパン」が設立され、2006年4月に現在の「CVCアジア・パシフィック・ジャパン」に名称変更された。長期投資を基本戦略としており、2024年2月にはアジア・太平洋地域を投資対象とする6号ファンド(68億米ドル)を組成。日本ではアルテリア・ネットワークス、テクノプロ・ホールディングス、HITOWAホールディングス(旧長谷川ホールディングス)、りらく、ファイントゥデイトライグループ等への投資実績を持っている。

 CVCは総合メディカルの成長戦略をどう描いているのか。赤池敦史 CVCアジア・パシフィック・ジャパン マネージング パートナー、代表取締役 日本共同代表と高槻大輔 アジアオペレーションチーム プリンシパルに聞いた。

<目次>
  • ポラリスからの株式譲受の経緯
  • 経営体制――CVCから4人が社外取締役に
  • 調剤薬局のマーケット動向
  • ロールアップM&AとIPO
  • 6号ファンドが68億米ドルでクローズ――兆円規模の大型投資も

ポラリスからの株式譲受の経緯

―― 2024年2月、CVCキャピタル・パートナーズ(以下、「CVC」)はポラリス・キャピタル・グループ(以下、ポラリス)から総合メディカルグループの株式を取得しました。株式取得するに至った経緯についてお聞かせください。


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