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(2024/07/31)

キリンHD ヘルスサイエンス事業へ経営資源をシフト

マール企業価値研究グループ
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 キリンホールディングス(以下、キリンHD)は2024年6月14日に健康食品大手であるファンケルを完全子会社化すると発表した。キリンHDは19年の資本業務提携で32.5%を出資しており、ファンケルは持ち分法適用会社だった。今回、約2200億円を投じてTOBを実施、年内にもファンケルを完全子会社化する見通しである(完全子会社化に伴い、ファンケルは上場廃止)。

 5年の歳月をかけて、キリンHDはファンケルを取り込むことになったが、キリンHDがこうした動きに出た最大の理由は今後ビール市場が世界的に伸び悩むとの危機感だろう。例えば、インドの調査会社であるIMARC社によると、世界のビール市場は24~32年にかけて年率2%以下の成長が見込まれており、成長率は過去ほど高くない。一方で、世界の健康食品市場は23年までの5年間で20%程度成長(年平均では4%程度)しており(英調査会社ユーロモニター社調べ)、ビール市場の成長速度に比べて優位にある。実際、キリンHDはヘルスサイエンス事業を成長のドライバーにしていく方針を打ち出しており、今後10年以内に同事業で売上収益5000億円を達成したいとしている(23年度現在で1034億円)。

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