[M&Aスクランブル]

(2016/04/01)

シャープ、ホンハイ双方にとって不幸な結着

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M&Aの歴史に残る事件

 台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業によるシャープ買収が決着しました。日本を代表する産業である家電大手が初めて外資の傘下に入ります。日本のM&Aの歴史に残る事件です。しかし、後味の悪さが残りました。当事者双方にとっても不幸な結着になったと思わざるを得ません。

 両社は2016年2月25日にいったん契約内容を合意したのですが、シャープが直前に「潜在的リスク」をホンハイに通知したため、ホンハイの要請でこの1カ月間、企業価値評価を中心に契約内容の修正交渉をしていました。

 その結果はシャープにとって屈辱的ともいえる内容となりました。ホンハイからの出資比率は66%でほぼ変わりませんが、出資額は2月の合意の4890億円から1000億円(20%)も減額されています。更に、もし、10月の払込期間までにホンハイ側の責任でなく出資が実行されなかった場合などに、ホンハイは液晶事業を購入できる特約も盛り込まれました。シャープの技術の流出防止も、「ハイテク」という言葉が加わり、範囲が制限されました。

 当初、契約交渉を有利に進めていたシャープが土壇場で形勢逆転したのは・・・


 

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