[M&Aトピックス]

(2022/02/02)

KPMGが2021年のアセアンM&Aのトレンドを公表~件数は前年比1.5倍に

 KPMGではディールアドバイザリーの現地メンバーが、アセアンM&A市場で生じている事象や各業界の動向、さらには各国主要案件情報などをとりまとめた「ASEAN M&Aのトレンド」を定期的に公表している。この度、2021年についてのレポートが公表された。

 同レポートによると、2021年のアセアンM&A市場は、コロナ禍で低調であった2020年から大きく回復し、コロナ禍前の域内M&Aの規模をも上回る結果となった。背景には、各国政府が進める金融緩和・経済刺激策が追い風となり、PEファンドや企業による買収・売却・SPACの活用が進んだことや事業ポートフォリオの再編等がある。

 2021年1月から12月までのアセアンにおけるM&Aは、公表ベースで436件、総額約1350億米ドル(約15兆3534億円)と、2020年に比べ金額ベースで3倍近く、件数ベースでは約1.5倍となった。四半期別では、大型案件が集中した第2四半期が626億米ドル(125件)、第3四半期が406億米ドル(148件)と活発であったが、金利上昇への懸念、オミクロン株でのコロナ禍再燃に起因する経済不安等の影響により、第4四半期は160億米ドル(60件)と減少に転じた。

 国別では、2020年を牽引したシンガポールやタイに加え、インドネシア、マレーシアおよびベトナムにおいても件数・金額ともに増加。セクター別では、TMT(Telco,Media & Technology)セクターと不動産・インフラ・建設でM&A件数の約4割、金額ベースで約7割を占めた。

 昨今、シンガポール、タイを中心に、域外の企業に対する投資が目立つことから、同レポートでは、アセアン企業による域外企業を対象としたM&Aの趨勢についても触れられている。

 このほか、アセアン各国のKPMGディールアドバイザリーリーダーによる各国M&Aマーケットの現状・予測についてのコメント、さらにはアセアン域内でも取り組みが加速しているESGに関する企業の傾向やM&Aへの影響についても取りまとめられている。 

■ KPMG ASEAN M&Aのトレンド

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