[Webマール]

(2025/04/24)

PEファンド、アント・キャピタル・パートナーズの投資戦略 ――ヴイ・エス・テクノロジーの非連続な成長へ向けた4つの施策

今泉 智幸(アント・キャピタル・パートナーズ バイアウトインベストメントグループ マネージングパートナー)
山田 真也(同 ディレクター)
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今泉智幸マネージングパートナー(左)と山田真也ディレクター(右)

今泉智幸マネージングパートナー(左)と山田真也ディレクター(右)

アント・キャピタル・パートナーズ(アント)は2000年に設立された投資会社で、バイアウトファンドを通じて企業価値向上を支援する「バイアウトインベストメント」と、資本再構成に関わるソリューションの提供やセカンダリーファンドを運用する「ソリューションインベストメント」の2つを柱に投資活動を展開する。
バイアウトインベストメントチームには現在20人が在籍。投資先にメンバーが常駐し、企業と同じ目線で経営戦略の立案からオペレーションまでを支援する「気骨のハンズオン」を実践している。
支援の好事例としては、2020年6月にカタライザー5号投資事業有限責任組合(カタライザー5号)を通じて実行したヴイ・エス・テクノロジー(VST)への投資が挙げられる。アントで本案件を担当するマネージングパートナーの今泉智幸氏とディレクターの山田真也氏に話を聞いた。
ハンズオンで企業の成長を加速

―― カタライザー5号はどのような運用方針を持つファンドなのでしょうか。

今泉 「カタライザー5号は2016年末に立ち上げたバイアウトファンドです。国内外から約350億円の資金を集め、最終的に10社に投資しました。ターゲットはEBITDAが10億円前後、売上では50億~300億円程度の国内企業で、未上場企業に加えて非公開化を前提に上場企業も対象としています。基本的に企業再生的な手法は用いず、黒字を確保して営業利益がしっかりと出ている会社の株式のマジョリティを取得し、我々が経営を主導することで成長を加速させていく方針としています。なお、現在は後継の6号ファンドを500億円弱の規模で運用中です」

マシンビジョン用レンズのトップ企業に投資

―― VSTの事業内容を教えて下さい。

山田 「VSTは『マシンビジョン』の分野で使われる光学レンズや照明、カメラ、画像処理ソフトウェアなどを一気通貫で提供する企業です。



■今泉 智幸(いまいずみ・ともゆき)
1992年太田昭和監査法人(現 EY新日本有限責任監査法人)入所。監査業務、未公開会社の株式上場支援業務を担当。2000年トランスコスモス入社。戦略的関連会社の経営管理を担当。株式上場支援、事業計画策定、M&Aを通じた戦略的な企業再編の実行、新規および追加投資案件のデューデリジェンスを行う。2003年当社入社。ウイルプラスホールディングス(監査役)、本間ゴルフ(取締役)、麦の穂ホールディングス(代表取締役)、フェニックスインターナショナル(監査役)、アントレ(取締役)、アミークス(監査役)、ヴイ・エス・テクノロジー(取締役)、APEXホールディングス(取締役)等において投資実行、ハンズオン支援、Exit交渉を担当。慶應義塾大学商学部卒。公認会計士。

■山田 真也(やまだ・まさや)
2012年みずほ証券入社。アドバイザリーグループにてテクノロジー/メディア/テレコム業界における大企業クライアントのクロスボーダー案件を中心としたM&Aアドバイザリー業務に従事。2016年よりMizuho Securities USA LLCに出向、Advisory Groupにて広範な業界における日米クロスボーダー案件のM&Aアドバイザリー業務を担当。2018年当社入社。フェニックスインターナショナル、アミノ(取締役)、ヴイ・エス・テクノロジー(取締役)、オークスモビリティ(取締役)において、投資実行、ハンズオン支援、Exit交渉を担当。東京大学経済学部卒業。

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