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2020年9月号 311号

(2020/08/17)

ポストコロナ時代とプライベート・エクイティ

幸田 博人(㈱イノベーション・インテリジェンス研究所社長、京都大学経営管理大学院特別教授)
はじめに

 2020年初頭から、新型コロナウイルス(COVID-19、以下「新型コロナ」という)感染症の広範囲の深刻な影響を、全世界において思いもよらぬ形で受けた。未だに広がり続ける新型コロナの蔓延の収束めどは、まだ見えない。新型コロナは、社会・経済の構造に大きなダメージを与えつつ、新たな社会の土台構築を行いつつある。経済の大規模な後退や、観光、小売り、飲食業などの直撃を受けた産業への影響にとどまらず、グローバルな製造業のサプライチェーンのあり方そのものにも大きな転換点をもたらしている。
 もともと、日本においては、2020年代に入り、本格的に直面していくこととなる社会・経済構造の大きな変化、具体的には人口減少・シニア化の加速、同時に地方の縮退など社会のあり方そのものに、どう立ち向かうか、すなわち社会・経済構造のあり方そのものが問われていたところに、今回の新型コロナの打撃は、更に深刻な影響を与えている。この甚大な影響は、全ての企業や個人にそれぞれのあり方そのもの、たとえば、企業のビジネスモデル、個人のライフスタイルに、大きな変貌をもたらすものとなろう。

日本における経済・社会構造の変化と新型コロナの影響

 日本の人口減少時代の本格到来の中で、特に地域間格差や世代間格差の問題などの更なる深刻化に立ち向かう中で、日本の旧来型社会・経済システムへの大きなテコ入れが必要だという認識は共有されていた。そうした観点で、働き方改革やイノベーションの創出のための「エコシステム」、グローバル化への一層の取り組み、企業のガバナンス強化などが、重要なテーマであった。今回の新型コロナの下、日本の旧来型社会・経済システム、特に、デジタル化の圧倒的な遅れが明確に認識され、行政や大企業の運営の仕組みそのものを、根本的に変えざるを得ないことがはっきりとした。
 2020年以降の日本の主要な社会課題について、5つの観点をピックアップしてみた。具体的には、「人口動態」、「経済・産業」、「環境」、「社会システム」、「消費スタイル」である。(1)「人口動態」とは、人口減少・高齢化問題、地方の縮小均衡の急速な進展に係る社会課題、(2)「経済・産業」とは、デジタル社会の進展の中での産業のあり方論やイノベーションの重要性に係る社会課題、(3)「環境」とは、地球温暖化問題、自然災害への対応に係る社会課題、(4)「社会システム」とは、働き方の問題や格差への対応に係る社会課題、(5)「消費スタイル」とは、効率性や高付加価値重視からの脱却やデジタル社会での消費スタイルのあり方に係る社会課題であると考える。
 図表1に、ポストコロナ時代と環境変化について、概観的に整理をしている。今回の新型コロナの問題は、グローバル社会や資本主義のあり方そのものへのアンチテーゼとしての側面を強く持ち、効率化中心の社会、例えば、東京での経済活動が最も付加価値を生み出しやすいとか、ネットワーク構築には、対面が不可欠であるとかいうような一種の神話が崩壊していくこととなるだろう。具体的には、

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