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[【クロスボーダーM&A】ベトナム投資の基礎知識 [ベトナムマーケット概要](ワールディング)]

(2017/05/31)

ベトナムのタクシー業界

 谷口 正俊(株式会社ワールディング 代表取締役社長)

 ベトナムのタクシー業界は、Mai Linh Groupが最大手で、南部ホーチミン市ではVina Sun Taxi、北部ハノイではTaxi Groupが二番手を構成している。Mai Linh Groupは近年、業界のリーディングカンパニーとして様々な施策を打ち出している。2016年には、SoftBank Telecom Vietnam、Viet Technology And Software Development(Vietek)と共同で、タクシー内で無料Wi-Fiサービスを提供開始した。また同じく2016年に、ホーチミン市から電気自動車(EV)100台の試験導入を実施した。2021年までに、現行のガソリン車2万台をフランスRENAULTの電気自動車へ切り替えをおこなっていき、排ガスと騒音という国としての課題への対策を実施するという。

 また昨今、ベトナムのタクシー業界の話題の中心が「ライドシェアリング(タクシー配車)アプリ」である。乗車位置と降車位置が指定可能で、事前に運賃の概算額も把握でき、かつ現状のタクシー運賃の約半額で利用できるマレーシアのGrabとアメリカのUberが急速に普及しており、従来のタクシー会社は苦戦を強いられている。ベトナム国内のダウンロード数ではGrabがUberを上回っているが、その要因は、Grabがバイクタクシーや現金払いにも対応しており、安価で使いやすいということで、アプリ活用層の裾野を広げたことにあると思われる。ライドシェアリングアプリは、以前は違法だとして摘発をされていたが、2015年からは正式に認可を受けてサービスが開始されている。更に加えて、中国の滴滴出行(DiDi Chuxing)も数年後にベトナム市場へ進出することが発表されているなど、各タクシー会社は様々な手法で対策を講じる必要に迫られている。

 日本企業では、2016年、福岡の第一交通産業がミャンマーとベトナムでタクシー事業を展開する方針を発表し、第1弾としてミャンマーでタクシー事業のコンサルティングを始めている。日本のタクシー会社が東南アジアで事業参入するのは珍しいが、安全運転や丁寧な接客など日本流の「おもてなし」が現地でどのように受け取られるのか注目したい。

株式会社ワールディング
 

株式会社ワールディング
TEL:03-5361-6455

■筆者プロフィール
谷口正俊(たにぐち まさとし)
1973年イタリア・ローマ生まれ。
早稲田大学商学部卒業後、(株)ベネッセコーポレーション入社。
同社退社後、2000年7月「教育を通じてより良い世の中へ」と、教育関連企業(株)ウィル・シードを共同創業、代表取締役副社長就任。大手企業400社の人財育成支援及び、全国の小中学校に新しいタイプの体感型教育プログラムを提供。
同社副社長を退任後、2006年6月、(株)アクティブリッジの設立に参加。
7年に亘るベトナム事業展開の後、2013年3月、(株)ワールディングを設立。
日系企業のベトナム進出支援、ベトナム人材採用・育成事業を展開中。
日本とベトナムを往復する日々を送っている。


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