[M&A戦略と会計・税務・財務]
2015年1月号 243号
(2014/12/15)
1. はじめに
日本国内市場の縮小を受けて、成長の源泉を海外に求めることが多くの日本企業における基本戦略となっている昨今、海外企業の買収はもはや当たり前の選択肢の一つとなっている。しかし、海外企業の買収にあたっては、海外業務に対応できるリソースが不足していることなどを理由に、買収後の統合業務がどうしても手薄になりがちである。その結果、統合業務がほとんど行われない、もしくは中途半端な状態でストップし、放置されているケースが多く見られる。こうしたケースにおいては、日常業務の延長線上で大きな改革を行うことは難しく、改めて統合業務を実施する必要がある。
本稿では、このようなクロスボーダーM&Aにおける再PMI(Post Merger Integration)を行うにあたって、押さえておくべき要諦を整理する。
2. クロスボーダーM&Aにおいて再PMIが必要となるケース
クロスボーダーM&AのPMIにおいて陥りやすい落とし穴としては下表のようなものがある。一言で言うならば、「遠慮およびリソース不足により、買収した企業を放置している」ことが元凶である。国内企業をターゲットとする買収でも同様の現象は見られるが、海外企業を買収する場合、「言葉が分からない」「現地の事情は現地でないと分からない」といったことから、さらに遠慮とリソース不足の問題が大きくなる。また、単純に「遠いために日々の業務において視界に入らない」ことも要因であると思われる。
以下に挙げたような現象が生じている場合、再PMIを実施すべきである。
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