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(2019/09/04)

ティーケーピー ~空間のシェアリングエコノミー企業としてM&Aと営業力を駆使して急成長~

1.はじめに

  2017年に東証マザーズへ上場したティーケーピー(以下、TKP)が急成長している。2005年の創業以来、貸会議室事業を軸に展開。周辺サービスまで幅広く手掛けることで、業績を拡大させてきた。2019年2月期には売上高355億円(前期比23.8%増)と過去最高を更新。さらに、2019年5月に日本リージャスホールディングス(東京)を買収、同年8月には台湾リージャス社の買収を発表した。この買収効果を上乗せした中期経営計画として、2022年2月期には売上高793億円、当期純利益64億円にまで高めると打ち出した(図表1)。

 TKPはこれまで「持たざる経営」をベースに、M&Aや他社との提携により急速にその事業規模を拡大してきた(図表2)。本稿では、同社のこれまでについて振り返るとともに、将来の方向性について展望する。



【図表2】ティーケーピー(TKP)の主なM&A

公表年月
など
当事者2(売り手)事業内容形態金額
(百万円)
マーケット目的など
2009年03月リスクモンスター審査・与信管理サービス出資拡大

IN -IN政策投資
2010年
9月
ジーアップキャリアセンター人材教育・研修買収
IN -IN研修事業を内製化し、企業の研修ニーズに応じた研修コンテンツを提供する
2010年12月バックオフィス
※2012年2月に売却
経理、給与計算代行買収60IN -IN企業向け総合アウトソーシング企業を目指す
2013年03月常盤軒仕出し弁当製造販売事業譲渡

IN -IN弁当事業に本格参入する
2014年07月ティーズグループ貸会議室事業譲渡

IN -IN顧客基盤やノウハウの融合化を図り、貸会議室の稼働を高める
2015年05月ラーニングエッジセミナーポータルサイト運営
資本参加

IN -INイベント・コンテンツ主催事業に参入し支援する
2016年03月ファーストキャビンカプセルホテルなど展開資本参加

IN -IN簡易宿泊事業に新規参入する
2017年04月3L entrance[ATカンパニー]※2018年3月-2019年2月に株式譲渡により連結の範囲から除外
コワーキングスペース・レンタルオフィス運営買収
IN -IN
新たにシェアオフィス・レンタルオフィス事業に参入する
2017年
09月
メジャースイベント運営活動支援買収IN -INイベント運営事業強化を加速させる
2017年11月大塚家具家具小売資本参加1,051IN -INTKPが運営する施設のインテリアの企画と大塚家具が取り扱う商品の納入、顧客の相互紹介と顧客ニーズに対応するための連携・協力体制の構築、大塚家具が所有・賃借する物件でのTKPによる貸会議室事業の運営などで提携する
2018年
04月
軒先スペースシェアサービス運営資本参加IN -INTKPの貸会議室や宿泊施設をポップアップショップやイベントスペースとして活用するほか、付帯する駐車場・月極駐車場の空き区画の「軒先パーキング」への登録を進める
2019年
04月
日本リージャスホールディングス(IWG孫会社)シェアオフィス買収43,169
IN -OUTIWGのブランドポートフォリオ、グローバルネットワークなどを活用しつつ、サービス拠点の拡大を進める。フレキシブルオフィス市場への展開を加速させる
2019年
06月
大分フットボールクラブサッカーJ1リーグ「大分トリニータ」運営資本参加IN -INスポーツ振興を通じて、地域社会と密着した社会活動に持続的に貢献する
2019年
07月
品川配ぜん人紹介所人材紹介、人材派遣買収IN -INホテル宴会場運営支援事業へ参入する
2019年07月台北雷格斯諮詢服務など13社(IWGグループ)
シェアオフィス買収2,927IN -OUT
台湾でリージャス事業の拠点開発、会議室事業の展開を図る
(注)レコフM&Aデータベース、ティーケーピー(TKP)のニュースリリース等より作成

2. シェアリングエコノミーをベースにした低稼働アセットの収益化

 「ティーケーピー(TKP)」の社名は、創業者である河野貴輝社長のイニシャル(Takateru Kawano Partners)に由来するが、空間再生流通企業として「Total Kukan Produce(トータル空間プロデュース)」の略であるとも謳っている。

 TKPは、不動産オーナーから遊休不動産…

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