経済産業省は、7月19日に研究会での議論を踏まえ、「コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針」(CGSガイドライン)を改訂した。資本市場の知見を持つ人材を社外取締役として選任することを促すよう提言した狙いや、2018年に続き2回目となるCGSガイドライン改訂のポイントを聞いた。「社外取に投資家を」の意図 ―― 「経産省が上場企業の社外取締役にファンドや投資家を入れるように呼びかけている」との理解が一人歩きしている印象もあります。正確な意図・考え方を教えてください。 「改訂CGSガイドラインに『会社の抱える課題を踏まえた取締役の選任』という項目があります(20ページ)。会社の抱える課題はそれぞれ異なりますが、資本市場との間で相互理解を高めることや、経営資源の効率的配分を重視する方向に経営を変えていくことは多くの日本企業にとって重要な課題だと考えています。 この課題に対応するための経営側の取組としては、例えば、CEOやCFOが資本市場への理解度を高めるということや、経営トップが投資家との対話に応じるということがあります。CFOなどが資本市場やコーポレートファイナンスについてしっかり理解し、市場が求めていることを咀嚼する、その上で社外取締役を含めて投資家との対話に応じる――ということが、ある程度されるようになってきました。