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(2018/03/22)

TOBと株式交換における買収プレミアムの違いを考える

~アクティビストに狙われる親子上場解消案件から検証する~

  マール4月号の「データを読む」では、「親子上場の解消案件」の分析を行っている。上場親会社が上場子会社を100%子会社化(以下100%化)して上場廃止にする事例のことで、1999年の株式交換・移転制度導入を契機にグループ再編手法の重要な選択肢となってきた。詳しくはマールをご参照いただきたいが、1999年以降で354件の事例がある。それだけ上場会社が減っていることになり、経営環境が大きく変化する中、親会社グループの構造改革ニーズが高いことをうかがわせる。この「親子上場解消案件」については、手続きや価格・条件の公正性が問題となる。親会社の意向によって対象子会社の独立性が損なわれ、価格・条件などについて少数株主が不利に扱われているのではないかと疑われやすい。いわゆる構造的利益相反状況にあるからだ。MBOによる非上場化案件も経営者と少数株主の間に同じような利益相反が生じるわけだが、いずれも少数株主による訴訟事件が少なくないし、アクティビストにも狙われやすいのが実態だ。「データを読む」では、パナソニックによるパナホームの100%化において、オアシス・マネジメントが株式交換比率に不満を表明、結果として、パナソニックがその手法を株式交換からTOBに切り替えた事例や、同じオアシスが、アルプス電気によるアルパインの株式交換による100%化案件でも同様の動きをし、その動向が注目されていることが紹介されているが、この「100%化」取引においては、利益相反状況が構造的に不可避であり、手続きや価格・条件の公正性についての説明責任が重要となっている。とはいえ、株主から見れば、価格・条件が妥当かどうかが最大の関心事であろう。本稿では、株式交換からTOBにスキームの変更した事例等を踏まえ、現金対価のTOBと株式対価の株式交換における買収プレミアムの違いについて基本的な整理をしてみたい。

  「データを読む」の通り、100%化の手法としては、TOBと株式交換が活用されており、1999年以降の354件のうち7割が親会社株式を対価とする株式交換によるとされ、残りの3割がTOBとのこと。近年は現金対価のTOBの割合が増え、直近では…

 

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