[M&Aスクランブル]
(2018/04/25)
1.はじめに
レコフM&Aデータベースの防衛策データによると、2018年4月24日現在、買収防衛策(以下、「防衛策」)を導入しているのは405社(図表1)、うち104社が2018年中に更新時期を迎える。そのうち8割が5月、6月の定時株主総会終結時までとされている。このレポートでは、今年の定時株主総会での導入・更新状況を占うため、17年6月以降18年4月24日までの防衛策の新規導入・更新・中止の状況や17年6月の定時株主総会での承認結果についてまとめてみた。なお、17年5月末までの状況については、17年4月28日のM&Aスクランブル(以下、「前回のレポート」)、同年6月26日のM&Aトピックスをご参照ください。
防衛策の導入社数は、2006年末時点の175社から2007年末時点で一気に400社を超え、翌年には約1.4倍の569社(上場企業の約15%に相当)でピークとなった。しかしその後、毎年中止する企業の増加により、14年末には500社を割り、18年4月24日現在の導入社数は405社(上場企業の約11%相当)とピーク時から10年連続の減少となっている。
2.新規導入企業
2017年6月以降、18年4月24日現在までに防衛策を導入した企業は、櫻島埠頭、トナミホールディングス、赤阪鉄工所の3社ですべて「事前警告型」。市場別ではすべて東証1・2部上場企業。櫻島埠頭とトナミHDは17年6月の定時株主総会の承認を得て導入した。赤阪鉄工所は、17年12月に取締役会決議のみでとりあえず導入し、18年6月の定時株主総会で株主の意思を諮り、承認された場合、有効期間を3年延長するとしている。同社に対しては、経営コンサルティングの合同会社M&Sが17年12月28日に防衛策に対する見解を公表したほか、18年3月20日に防衛策の撤回や財務体質の改善を図ることなどを内容とする要望書を送付している。M&Sは…
*Cコース会員の方は、最新号から過去3号分の記事をご覧いただけます
マールオンライン会員の方はログインして下さい。ご登録がまだの方は会員登録して下さい。
――4月1日「オリックス・クレジット」から「ドコモ・ファイナンス」に社名変更
[Webインタビュー]
[【バリュエーション】Q&Aで理解する バリュエーションの本質(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社)]
[Webマール]