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[業界動向「M&Aでみる日本の産業新地図」]

2021年3月号 317号

(2021/02/15)

第191回 ドラッグストア業界 同質化競争から抜け出るためのM&Aが増加

―― 食品スーパーの買収やPEファンドと組む中堅チェーンも

編集部
2025年には9兆円越え

 新型コロナウイルスの感染拡大により日本企業が業務の遂行や業績に影響を受けている中、小売セクターでは、外食や百貨店などがコロナ禍で深刻な影響を被った一方で、食品スーパーやディスカウントストアなどは緊急事態宣言による外出自粛が追い風となり売り上げを伸ばすなど、二極化が鮮明になっている。ドラッグストア業界の2019年度売上高ランキングは、1位ウエルシアHD(8682億円)、2位ツルハHD(8410億円)、3位コスモス薬(6844億円)、4位サンドラッグ(6177億円)、5位マツモトキヨシHD(5905億円)、6位スギHD(5419億円)、7位ココカラファイン(4038億円)、8位クリエイトSDHD(3195億円)、9位クスリのアオキHD(3001億円)、10位アインHD(2926億円)となっているが、21年10月にマツモトキヨシHDとココカラファインが経営統合するなど、業界再編の動きも見られる。

 まず、DS業界の現状について見ていこう。

 日本チェーンドラッグストア協会によると、19年度の業界市場規模(総売上高)は約7兆6859億円(対前年度比105.7%)。16年度から4年続けて前年度比5ポイント以上の伸びをみせ、店舗数は前年度より403店舗増えて2万631店舗。大手チェーンを中心としたM&Aや新規出店が進むなど高成長が続いている。

 「ドラッグストアは、EC(電子商取引)と並ぶ成長業態だと見ています。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、一部の企業では訪日外国人の買物代の減少や化粧品の需要減の影響を受けたものの、全体としては、食料品から日用品を中心とした消費者の需要拡大を追い風に、燃料小売業、自動車小売業を除いたコア小売販売額に占めるシェアは0.2ポイント上昇して6.2%となりましたが、25年には7.6%になると予想しています」と、クレディスイス証券の風早隆弘シニアアナリスト。

 また売上規模について、A.T.カーニーの久野雅志パートナーは25年には9兆円を超えるぐらいまで継続的に伸びると見ている。

 「新型コロナ禍によって、大きく消費者の行動が変わっています。特にDS業界においては、H&BC(ヘルス&ビューティケア)を強化してきたプレーヤーにとって、特に都市部でのインバウンド需要が消失したということに加えて、テレワークなどの拡大によって都市部の昼間人口が減少するというダブルパンチを受けるという形になって都市型店舗が苦しくなってきています。一方、郊外店舗の中でも大きな駐車場を持っているような店舗に関しては好調で、新型コロナ禍で売り上げは堅調に推移しています。

 全体として業界の売上高は伸びていくと見ていますが、利益構造は変わってきますから、市場は拡大しても利益があまり上げられないということが起きる状況になっています。というのも、まとめ買い需要で買われるものは食品、日用品関連ですが、こうした商品は低価格で販売していることもあって粗利益がかなり低いのです。一方で、これまで収益の柱となっていた化粧品、医薬品に関しては、新型コロナ禍でマスクをつけるようになって化粧をしなくなったことから需要が低下するとか、衛生意識の高まりで風邪をひく人が減ってきていて、OTC医薬品(市販薬)の販売がかなり落ちているとも聞いています。市場規模として売上高は伸びてはいくのだが利益が比例しては伸びていかないというデカップリングが起きているのです」(久野氏)


4つの戦略

 そのような中で、各社の戦略は大きく4つに分類できると久野氏は言う。

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