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[業界動向「M&Aでみる日本の産業新地図」]
2015年2月特大号 244号
(2015/01/15)
1.世界の医薬品企業に係わるM&Aの年間件数・金額は過去最高に
欧米医薬品業界におけるグローバル再編が進展している。図表1はビューロー・ヴァン・ダイク・ エレクトロニック・パブリッシング社が集計しているM&AデータベースZEPHYRによって、世界の医薬品業界に係わる年間のM&A件数・金額を示したものである。これをみると、既に2014年は11月末現在で公表ベース及び公表・観測ベースとも過去最高となった。
大手医薬品メーカーが開発した高脂血症や高血圧症、潰瘍などの生活習慣病向け医薬品は長期に亘り多数の患者に投薬される傾向もあって、いわゆる「ブロックバスター(大型医薬品)」に成長した。最近では多くのブロックバスターが特許切れを迎える中で医薬品メーカーは新薬開発の必要性に迫られているが、開発の進展によって新たな医薬品シーズ発見の余地が狭くなり新薬が生まれにくくなっている。肺がんや認知症など希少疾病用医薬品の開発や、抗体医薬品(人体に侵入してきた病原体や異物などの働きを中和するために作られるタンパク質を、人工的に作成したもの)に注目が集まっているものの、このような分野の医薬品は開発が容易ではないことや、従来の医薬品とは異なる開発ノウハウを要するため、研究開発費や他社からの新薬候補の購入費が高くなっていると言われている。
こうした中、再編進展は、研究開発費の確保などを目的に企業規模拡大に向けた機運の高まりを映したものとの見方が多い。ただ、個別企業の例をみていくと規模拡大だけではなく、事業構造の改革を図りながら特定の分野で競争優位を構築するためにM&Aを活用している様子が窺える。また、当事会社の業態をみると、新薬メーカーだけではなく一般医薬品、後発医薬品、試薬メーカーといった幅の広い層の企業がM&A市場に参加している。
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[「M&A基礎講座」 グローバルM&Aにおける非財務リスクへの対応]
村崎 直子(クロール・インターナショナル・インク シニアアドバイザー)
[ベンチャーM&A]
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