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[業界動向「M&Aでみる日本の産業新地図」]

2017年9月号 275号

(2017/08/15)

第150回 建設機械レンタル業界

~大手は積極的にM&Aを活用

 澤田 英之(レコフ 企画管理部 リサーチ担当)

1.大手を軸にM&Aが活発

  建設会社などが建設現場で使用する油圧ショベル、クレーン、ブルドーザといった建設機械(以下「建機」という)は、その多くがレンタル会社から借りたものと言われている。建機は価格が高く、自社で保有した場合の管理費、修繕費等維持費にかかる負担が重い。また、一台当たりの重量が大きいため現場間での移動が容易ではない。

  レンタル会社を利用すれば、建機を保有した場合に発生する固定費を変動費に転換できる。また、工事や地域の特性に見合った建機の機動的な調達が可能になる。

  一般社団法人日本建設機械レンタル協会に属する正会員数は、2017年3月現在、1043社に上っている。中堅企業や地域密着型の中小企業が多い同業界の中で、大手に位置付けられている企業は、アクティオホールディングス、カナモト、西尾レントオール、レンタルのニッケンの4社である(図表1)。4社は国内では広域に事業を展開し、海外ではアジアを中心に事業を拡大している。

(図表1)建機レンタル業界大手4社の概要

  図表2は国内の建設投資額と土木・建機レンタル売上高の推移を示したものである。

  バブル崩壊や公共投資の削減などによって建設投資額は大幅に減少。2010年度には42兆円と、ピーク時(84兆円、1992年度)の半分の水準にまで落ち込んだ。

(図表2)国内の建設投資額と土木・建機レンタル売上高の推移

  一方この間、土木・建機レンタル売上高の推移は比較的安定していた。これは建設会社等が経費節減や財務戦略の一環として、積極的に建機レンタルを利用するようになったことが一因と考えられる。しかし、当時の状況を調べていくと実際には価格競争の激化に伴いレンタル会社間では厳しい消耗戦が展開されていたようだ。こうした状況の中、以下に述べるように大手企業を買い手とするM&Aが増加した。市場が拡大し難い中で規模拡大によって得られるスケール・メリットが重要となり、営業地域拡大などを目指す買い手企業と大手企業からの支援や資本力増強などを必要と考えた売り手企業の意向がマッチしたものと考えられる。

  その後、東日本大震災による復興需要の発生、第二次安倍政権発足に伴う公共投資拡大、都市再開発の活発化などを背景に建設投資は2010年度を底に回復し、これとともに土木・建機レンタル額も大きく増加した。しかし、建設ラッシュが一部の大都市に集中するなど地域間での相違も大きく、地方都市を本拠地とするレンタル会社が経営の効率化等を目的に大手の傘下に入るケースが依然としてみられている。

2.大手4社の沿革と最近のM&A事例

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