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[ポストM&A戦略]

2013年5月号 223号

(2013/04/15)

第53回 100日プラン(下)

 竹田 年朗(マーサー ジャパン グローバルM&Aコンサルティング プリンシパル)

   前回は「100日プラン」を「クロージング後の100日間で検討した、今後の経営の基本方針あるいはさらに踏み込んだ具体的アクションプラン」とした上で、その内容や検討の方法、さらには検討チームの編成や経営者報酬とのリンクについて論じた。
   今回は、クロスボーダーディールの流れに沿って、経営者のリテンションや経営者に対するガバナンスの確立のプロセスとも絡めて、うまく100日プランを策定するためのサイニング前にさかのぼる念の入ったプロセスとポイントを説明する。

買収先の経営者、既存の計画および組織能力に対する見立て

  前回解説したように、筆者はPMI(Post Merger Integration)における種々の活動の中でも、特に100日プランの出来具合がM&Aの成功を大きく左右する、と考えている。その観点から、買収先の経営者、既存の計画および組織能力に対する見立てが重要である。
  第一に、誰に100日プランを作らせるのかが大問題である。国内案件でもクロスボーダー案件でも、買収直後に経営者、特に経営トップ(CEO)を交代させるのは容易なことではない。後任CEOにどんなに実力があっても、乗り込んでいって組織の要所を掌握し、自分の得意パターンに絡めてうまく運営できるようになるまでには、どうしても時間がかかるからである。
  買収先の組織が大きかったり、多国に展開していたりすると難度はさらに上がる。そして、もしこの初動期間に足元の業績を揺るがすような事件・事故や経営環境の変化が起こると、買収側も肝を冷やす。
  かといって、現経営者に続投させても中長期的にとてもうまくいくとは思えないのであれば、そのような経営者をいつまでも起用することもできない。もっと大きいリスクを背負い込むからである。
  つまり、経営者の交代を行う場合はその引き継ぎの手順やタイミングも考えながら、誰に100日プランを作らせるのかを急いで、かつ慎重に考えないといけない。
  中期業績の確保および社員コミュニケーションの観点からは、100日プランの策定が遅れることは好ましくないので、経営者の交代がある場合でも、クロージングからその交代までの期間がよほど短い場合は別として、交代の完了まで100日プランの検討を始めないという選択肢はないであろう。
 

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