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[ポストM&A戦略]

2014年10月号 240号

(2014/09/15)

第70回 組織・人事における効果的な売却アプローチ(上)

 竹田 年朗(マーサー ジャパン グローバルM&Aコンサルティング プリンシパル)

  事業ポートフォリオの組み替えは、実際にグローバルの大手企業が定期的に、あるいは常態的に行っていることである。M&Aの現場では、先日までそのグループの中核事業であった優良な事業が売り案件として浮上し、新しいオーナーに戦略投資案件として買われていく。一方、売り手は売却によって得た資金を、新たな戦略投資に振り向ける。
  このように見ると、M&Aでは案件をうまく買うのと同じくらい、案件をうまく売ることが重要になってくることがわかる。買い手が海外企業やPEファンドであることも、また、多国にわたって展開している事業や子会社を売却することも、すでに現実の話である。今後、戦略的な売却の拡大は大いに期待されることなので、今回から売却について論じることとする。

売却の重要性

  投資家から預かった資本は、適正なリターンが得られる事業に投資し、所期のリターンが得られるように適正に経営する必要がある。さらに事業のポテンシャルを注意深く見れば、一定期間の間には、かつてハイ・ポテンシャルで優良とされたコア事業以上に魅力的な事業が現れるものであり、慎重な診断の結果、かつてのコア事業から資金を最大限に回収し、新たなコア事業に振り向けるケースも出て来るのである。この事業ポートフォリオの組み替えの所要時間を最短にする方法の一つが、かつてのコア事業を売却し、新たなコア事業を買収することであろう。
  日本で売却というと、失敗した経営の立て直しや強者による弱者の救済あるいは吸収、というイメージが先に立つようにも思われるが、要するに売却とは、経営投資が生む利益の絶対額と投資利益率を最適化する有力な手段の一つなのである。
  買収も売却も、M&Aは相手あってのことであるから、絵に描いたように、計画通りにはいかない。それでも一定の事業スケールでこれを行えば、「予算化」という考え方がなじむようになってくる。近年、日本企業でも「○○年度までにM&Aで○○億円投資する」といったビジョンを掲げる例が増えている。その資金調達の方法の一つとして、対外的にはまず発表されないけれども、一部既存事業の売却にまで踏み込んだ検討をしている例、またそのような検討をせざるを得ない例があってもおかしくないと思っている。
  

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