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[ポストM&A戦略]

2015年1月号 243号

(2014/12/15)

第73回 買収後に行う人事制度・人事課題の詳細把握

 竹田 年朗(マーサー ジャパン グローバルM&Aコンサルティング プリンシパル)

  買収時には調べられなかった事項や敢えて調べなかった事項について、買収後にどこまで調査・把握するのがよいのか。子会社になったのだから当然隅々まで理解すべきとも考えられるが、細かなことならば子会社の経営の範疇であり、子会社に適切に任せるべきものともいえる。
  ここで「重大なこと以外は任せたいが、何が重大なことなのか調べてみないことにはわからない」となると、話が循環して、計画が止まってしまう。そうするうちに、他のことに紛れて結局手つかずになってしまう例も散見されるようである。さらに重要な問題もある。買収直後のこの棚卸が不十分なために、中期的に重要な課題の発見が遅れることである。
  今回は、このような買収後に油断しがちな問題について、具体的なアプローチを説明する。

クロージング時には、人事制度・運用実態の何がどこまでわかっているものなのか

  買収契約締結前にデュー・デリジェンスで行う調査は、網羅的なものではなく、本来選別的なものである。すなわち、買収そのものに対するリスク(Transaction Risk)、買収価格への影響(Pricing Impact)、買収後に関するリスク(Integration Risk)の3つを精査の対象とする。デュー・デリジェンスレポートの主旨は、この3つの視点から重要判明事項を指摘することであって、売り手が開示した情報全般を整理することではない。もちろん整理してあればあとで便利なのであるが、デュー・デリジェンス期間中においては、単なる実態解明・情報整理を目的に、欠けている情報を請求することはない。
  このため、サイニング時点では「買う・買わない」あるいは「いくらで買うか」に大きく関係しない事項については、まだわかっていないことが多い。デュー・デリジェンスの性質上、敢えてそれでよしとしているのである。
  では、サイニング後からクロージングまでの期間に、このような未解明事項はどこまで解明できるのか。あるいは、どこまで解明すべきなのであろうか。カーブアウト案件のように、クロージング準備が特別に大変な案件では、理想論はともかく、現実にこのような事項の解明に時間を割く余裕はまずない。一方、その他の案件では、もうサインが終わったということで売り手の協力が得られ、また法的に問題のないことが確認できれば、本格的な解明に着手することが可能である。
  もちろん、クロージング後になれば、もはや買い手は自由に調査を進められる。
  なお、デュー・デリジェンスで問題が指摘され、買収契約書(DA、Definitive Agreement)にその修正・解決がクロージングの条件として盛り込まれることがある。そのような事項については、クロージング前に確認することになる。

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