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[ポストM&A戦略]

2015年7月号 249号

(2015/06/15)

第79回 PMI再考:海外買収先のグループ統合(下)

 竹田 年朗(マーサー ジャパン グローバルM&Aコンサルティング パートナー)

  これまで2回にわたって、「買収後の統合」という避けることのできない難題について、統合検討のタイミング、統合が不可避である理由、統合のリスクとコスト、統合のパターン、そして拙速でも様子見でもなく、最適なタイミングで統合を仕掛けて実現することの重要性について、それぞれ説明してきた。今回はこのシリーズの結びとして、いくつかのモデルを用い、統合への最適なアプローチがどのようなものなのか、解説したい。

統合の阻害要因にはどのようなものがあるのか

  今回は、前回解説した買収後の統合の4パターンのうち、組織統合を伴うが故に手間がかかり難度が高いもの、つまり分解・統合型と、分解・再編型を主に念頭に置いて解説することとする。
  統合の阻害要因として留意すべきものを例示し、図1に一覧にまとめた。阻害要因は、そのままにしておいたのでは統合が前に進みにくく、強行すれば失敗の原因ともなる。しかし、阻害要因は一般に克服可能でもある。つまり本来は、いろいろ工夫して、うまく早期に解消するものなのである。それぞれ、以下に簡単に説明する。

  まず、1) の従業員が買収で動揺している状態では、買収側が優れた統合意図を持っていたとしても、それをきちんと伝えることが難しい。まずは、努力して組織を平常の状態に戻すことが先決となる。
  例えば、他の買い手との激しい競り合いを経て買収した場合には、従業員が動揺していることがある。また、買収時の買い手のコミュニケーションの失敗により、組織を動揺させてしまう場合もある。これには、きちんと準備しないでうっかり組織統合やリストラの話をし、不安をあおってしまった場合も含む。
  物事を整理し直せば動揺が収まる程度ならば、統合を進める前にコミュニケーションで組織を元の状態に戻し、それから統合することを考えるべきである。しかし、こじれがひどく、凝り固まっている時には、動揺を収めるだけでも時間がかかり、いつまでたっても統合できないことになる。このような場合には、どの程度まで動揺を鎮めたら統合を決行するか、総合的なバランスで判断することとなるだろう。

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