[業界動向「M&Aでみる日本の産業新地図」]
2014年2月特大号 232号
(2014/01/15)
縮小する市場の中で
日本は2008年をピークに人口が減少、高齢化が進んでいることから、食品市場も縮小が避けられない。こうした中で食品メーカーの現状は、円安の進行による原料価格が上昇するものの、デフレの影響もあって製品価格への転嫁が難しいという状況にある。さらに小売業界を見ると、大手を核に再編が進んだことで、食品メーカーに対するバイイング・パワーを増加させているだけでなく、PB(プライベートブランド)商品の拡充を図る一方でNB(ナショナルブランド)商品の値下げ要求を強めている。ちなみに、PBの市場規模は07年に1兆6000億円であったものが15年には3兆円を超えるまでに拡大すると予測されている。PB商品は、基本的に、小売が商品の全量を買い取るため、メーカーは在庫管理コストや販促費を負担しないで済むというメリットがあるが、小売サイドのバイイング・パワーが強くなると仕入れ値を抑えられることになる。これに対応して、食品メーカーは価格競争を回避するために高付加価値商品の開発や新たな販路の開拓などに迫られている。
「こうした厳しい経営環境の中で、食品メーカーが取り得る戦略としては、3つあります。第1に新興国を中心に海外に新たな市場を開拓すること。第2に付加価値の高い商品を開発して消費者をつかむこと。そして第3は、本来もっと起こらなければいけないことですが、経営統合を進めることで経営効率を高め、コストを下げていくことです」と、モルガン・スタンレーMUFG証券調査統括本部株式調査部 エグゼクティブ ディレクターの出村泰三氏は語る。
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――4月1日「オリックス・クレジット」から「ドコモ・ファイナンス」に社名変更
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