[視点]
2014年5月号 235号
(2014/04/15)
身近にも膨らむニーズの芽
企業構造・産業構造の革新が起こるのは、社会環境が大きく変わる時だ。高齢化・人口減少はまさしくその時に当たる。M&Aも、高齢化・人口減少に伴い今後ますます加速するだろう。
身近なところで考えてみよう。総人口が減少するということは、他界者が増えるということだ。国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、今後30年間に他界者は3割強増える。おそらく新たな墓が必要になるだろう。
しかし、墓の管理にあたる子供世代の人口は逆に減っていく。孫・ひ孫の世代になると、一人(一世帯)が管理する墓の数はかなり増えるはずだ。ましてや、その多くは故郷から離れて暮らしている。墓の管理は今以上に重大な関心事となる。
そうであれば、自宅の近郊に墓の移転(改葬)を考える人が増えてきてもおかしくない。しかし、手続きはたいへん面倒だ。「お寺がM&Aを通じてグループ化を進め、行政手続きから新しい墓への納骨まですべてやってくれればありがたい」と考えたくなるのは、不謹慎だろうか。もちろん難しい話だろうが、高齢化・人口減少が進めば、身近にも多くのM&Aニーズの芽が生まれることを示唆している。
マールオンライン会員の方はログインして下さい。ご登録がまだの方は会員登録して下さい。
[Webインタビュー]