[視点]
2014年10月号 240号
(2014/09/15)
はじめに
IR活動は、企業が投資家に対し、必要な情報を適時に継続して開示する活動である。自発的に取り組み、双方向の対話で資本市場との関係を構築する。それにより企業は資本市場で適正な評価を受け、資金調達などの戦略につなげることができる。
時代の潮流が、その進化を求めている。バブル崩壊後の約15年間、勢いがなかった日本経済には、反転する兆しが表れている。企業は業績を伸ばし、成長投資にも意欲を見せている。M&Aも、投資家向け説明会やミーティングで焦点となることが少なくない。それを成果につなげるためにも、社内外のコミュニケーションが重要となる。目標を公表して共有し、経営者が求心力を高めることで、企業はひとつにまとまってゆく。
1990年代以降、日本企業のIR活動は充実してきたが、さらにレベルアップする時を迎えている。政府の成長戦略の鍵となる企業統治(コーポレートガバナンス)の強化や、市場へのリスクマネー流入に果たす役割も大きい。
本稿では、M&Aの際に必要なIR活動を企業事例から探り、持続的成長を目指す時代に必要な行動を考えていきたい。なお、企業事例は、「IR優良企業賞」(日本IR協議会選定)の審査結果をもとに紹介する。本文中の意見に関する部分は、筆者の私見であることをあらかじめお断りする。
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