[M&A戦略と法務]

2016年3月号 257号

(2016/02/15)

ブラジルでのM&Aにおける実務上の留意点

 柏 健吾(TMI総合法律事務所 弁護士)
  • A,B,EXコース

1 はじめに

  ここ最近のブラジル経済は非常に停滞しており、2015年の実質GDP成長率はマイナス3%の見込みとなり、官民による投資も前年比10%以上の落ち込みとなっている。ただ、一方で、M&Aの観点で見れば、ブラジルレアルがここ1年で対米ドルで50%近く下落しているため、外資系企業にとってはブラジルで企業買収する大きなチャンスとなっている。実際、2015年には、2000年以来初めて、外資系企業による買収がブラジル国内企業による買収より件数が多くなった。

  本稿では、活発化が見込まれる外資系企業によるブラジルでのM&Aにおける、基本的事項や実務上の留意点等について解説する。

2 M&Aに関する基礎的な知識

(1) 外資規制


  外国資本に対する規制は原則としては存在しない。例外的に、核エネルギー、農地の取得、国境付近での活動、郵便、電報、国内航空、航空宇宙産業、マスメディア等の事業は外資規制を受け、これらの事業に対しては外国資本が事業を行うことができない、または、持株比率に関する制限を受ける。

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