M&A専門誌マール

2017年2月特大号 268号 : マールレポート ~企業ケーススタディ~

インテグラルの山本礼二郎代表取締役が語る「アデランス再成長戦略」 有料記事です

創業者の決断

山本 礼二郎(インテグラル 代表取締役パートナー)  2016年11月、プライベートエクイティ(PE)ファンドを運用するインテグラルが傘下のアドヒアレンスを通じてアデランス株のTOB(株式公開買い付け)を実施し、TOB成立後、アデランス創業者である根本信男会長兼社長と津村佳宏副社長が同社に50.1%を出資する形でMBOが行われた。これによって、アデランスは17年2月をメドに、東証一部上場が廃止になる。

  アデランスは、根本信男氏らによって1968年に創業された。創業当初は男性用オーダーメイドかつらが事業の主体であったが、1985年にカネカの子会社で女性用かつらの販売を行っていたフォンテーヌを買収して女性用かつらにも本格参入した。

  また、海外市場の開拓にも積極的で、79年には米国に現地法人を設立、さらにアジア地域での製造拠点の建設や欧州での販売会社の買収などを行ってきており、現在、男性向け「ADERANS」、女性向け「レディス アデランス」「FONTAINE」、毛髪移植「BOSLEY」、海外ウイッグ「HAIRCLUB」の5つのブランドを核にグローバルに事業を展開しており、毛髪業界のトップを走っている。

【沿革】

  同社は創業から2000年代初頭までの約40年間は順調に右肩上がりの成長を実現してきた。しかし、02年2月期の営業利益166億5900万円をピークに、一転して減収減益基調をたどり、10年2月期には85年9月の株式店頭公開以来、初の営業損失を計上するまでになった。

  同社のビジネスモデルは、百貨店などでの対面販売が中心となっていたが、近年は業界でもインターネットを利用した販売が盛んになってきているほか、成長が期待できる女性向けかつら需要を狙った異業種による低価格品の参入が相次いだことも業績低迷に追い打ちをかける原因となっている。

アクティビストファンドとの対立

  業績が低迷する中で、アクティビストファンドと経営陣との対立も表面化することになった。同社の株式の28.9%を取得したアクティビストファンドであるスティールパートナーズ(以下スティール社)が、大幅な利益減少を招いた経営陣の責任を問い、08年の定時株主総会で取締役7人の再任決議を否決、さらに09年には、スティール社が提案した「上場廃止」に対抗して会社側が「上場維持」を目的としたホワイトナイトとしてユニゾン・キャピタルと組んでプロキシーファイト(委任状争奪戦)が展開され、結果スティール社に敗れるという事態も起こった。

  09年12月には、スティール社の意向で日本ペプシコーラ社長などを歴任した大槻忠男氏がアデランスHD社長兼CEOに就任した。大槻氏は10年9月に社名をユニヘアに変更するとともに、ゴルフ場やサロン事業の売却など大リストラを断行した。しかし、業績は好転せず、10年2月期、11年2月期と続けて50億円を超える営業損失を出すことになった。結局、大槻氏は経営方針をめぐってスティール社と対立し、11年2月に解任。創業者である根本会長が社長を兼任する形となり、社名もアデランスに戻し現在に至っている。

  その後、根本氏の陣頭指揮のもとで12年2月期にアデランスの業績は底打ちを見せ、以後14年2月期まで3期連続で増益となり、スティール社は14年12月、アデランス株を売却して撤退した。

再び業績が悪化する中で

  これによって、根本氏はスティール社から経営権を取り戻す形となったが、16年2月期連結決算は売上高は791億5300万円と高水準だったが、当期純損益が18億6000万円の赤字に陥り、17年2月期通期の連結業績予想も当期純損益が19億円の赤字に陥る見通しと、業績は再び悪化している。ちなみに、業界第2位のアートネイチャーの16年3月期連結決算は、売上高405億1500万円(前年同期比-1.9%)、当期純利益17億3100万円(同-23.1%)となっている。

売上高

  大リストラによって有能な人材が流出したことや店舗政策の停滞などによるダメージは大きく、市場環境の変化に対応した新たな成長戦略の構築が喫緊の課題となっている。

  今回のMBOはそうした背景のもとで根本会長兼社長、津村副社長を中心とした経営陣によって決断された。

  アデランスの支援に名乗りを上げたインテグラルは…

 

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