[視点]
2018年2月特大号 280号
(2018/01/19)
~シンプルな原理・原則ルールの勧め~
はじめに
近年、日本企業による海外M&Aが活発化している。一方で、買収後に巨額の「のれん」の減損処理の事例や買収した海外子会社において重大な不正事案が発覚したことに伴い、経営者が退任した事例も生じている。このような事例が起きるたびに、「買収前のデューデリジェンスでは何をしていたのか」「買収後のPMIがしっかりしていないからだ」等の主張が繰り返されている。
しかし、買収前のデューデリジェンスは様々な制約が多く、買収前にすべてのリスクを発見することは不可能に近い。また、PMIにいくら長けていても、海外子会社を円滑に管理できるグループ方針やグループ管理体制がなければ、買収後の海外子会社の管理は上手くはいかない。実は、多くの日本企業は、海外子会社管理を含む海外管理やグループ管理に問題が多い。
日本企業が直面する海外管理の問題点
多くの日本企業のおける海外管理の現状は、概ね下記にまとめることができる。
■ 本社部門における「グループ本社」としての意識が低く、制度も不十分。
■ 本社は、「海外」のことは海外勤務者にしかわからないと思い込んでいて、現場第一主義といえば聞こえは良いが、悪い意味での「現地放任」。
■ しかも、海外子会社に派遣される経営者は、マネジメント経験・教育が不十分。
上記の現状に直面する企業は、下記の問題点を抱えていることが多い。
■ 海外子会社は、生産本部・営業本部等の管轄子会社として位置付けられている場合、生産管理等の指導はするが、コーポレート機能の支援やモニターは不十分。
■ 海外事業部門・グループ管理部門が海外子会社を管理する場合、予算等の取り纏めに精一杯で、十分な支援・モニターまで手が回らない。
■ 海外子会社数は増加し、要員不足、知識・経験不足等から、目が行き届かない。
このような海外管理の問題は、具体的には下記のような不安・悩みとなって現われる。
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――4月1日「オリックス・クレジット」から「ドコモ・ファイナンス」に社名変更
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